
研究者の先生 Researcher
HPPの治療方法、診断方法を深く研究されている先生です。
こちらでは特にHPPの診断、治療、研究に深く携われている先生を紹介します。紹介順は、メッセージを頂いた順に掲載しています。もしご紹介いただける先生や看護師の方がいらっしゃったら、ご紹介ください。

折茂 英生 先生
Orimo Hideo
日本医科大学名誉教授
HPPの「遺伝子診断」を初めて行ってから25年以上が経ちました。
当時HPP重症型は「不治の病」でしたが、今日までにHPPの研究は進みました。
特に、ストレンジックの使用が始まって、治らなかったこの病気が治るようになったのは素晴らしいことです。
けれどもまだわからないこと、改善しなければならないことは多く、もっと負担の少ない治療法の開発も必要です。
また、アルカリホスファターゼ自体の研究もさらに進める必要があります。
最近の研究からアルカリホスファターゼは骨粗鬆症や慢性腎臓病での血管石灰化に関係があることがわかってきました。神経細胞での働きも十分には解明されていません。
これらの研究が進むことはHPPの治療やケアに必ず役立つと思います。
私は大学を退職しましたが、幸い元気でおりますので、いくつかの共同研究に関わっており、今後も研究を進めていくつもりです。
折茂 英生
(日本医科大学名誉教授)
2020.8

道上 敏美 先生
Michigami Toshimi
大阪府立病院機構大阪母子医療センター 研究所 骨発育疾患研究部門
皆様こんにちは。大阪母子医療センター 研究所 骨発育疾患研究部門(旧・環境影響部門)の道上と申します。
大阪母子医療センターは、大阪府和泉市にある周産期医療と小児医療の専門病院です。
さまざまな周産期・小児疾患の病態解明や診断・治療法の開発のために研究所が併設されており、私は骨発育疾患研究部門の部長として、骨や軟骨の病気に関する研究を行っています。
これまで、20年以上にわたって低ホスファターゼ症の遺伝子診断を行い、日本人に多い変異や症状との関係を明らかにしてきました。
また、小児科医として低ホスファターゼ症患者さんの診療にもたずさわってきました。
2015年に酵素補充療法が行えるようになり、低ホスファターゼ症の患者さんの診療が大きく変化したところから、2019年にはこの疾患の診療ガイドラインを作成し、日本小児内分泌学会のホームページで公開しました。
ガイドラインの作成には、患者会の皆様にもご協力をいただき、どうもありがとうございました。
酵素補充療法の導入によって低ホスファターゼ症患者さんの予後は大きく改善しましたが、解決しなければならない課題も多く残されています。
これからも、低ホスファターゼ症患者さんのより良い未来のために、コミュニティの皆様と共に頑張っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

五関正江 先生
Goseki Masae
日本女子大学 家政学部 食物学科 栄養学研究室の五関正江と申します。
私は、1981年より東京医科歯科大学 歯学部 生化学研究室において、骨や歯のアルカリホスファターゼの研究(基礎研究から、遺伝子診断、遺伝子解析など)を行って参りました。
その後、1998年からは日本女子大学にて、特に食事性因子とアルカリホスファターゼ発現との関係について研究を続けております。
今後も、低ホスファターゼ症の診断や治療に役立つ研究を進められるように努力していきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
2020.07.31

西澤 公美 先生
Nishizawa Hitomi
信州大学医学部保健学科基礎理学療法学の西澤公美と申します。
普段は神経難病のお子さんのリハビリテーションなどを担当しています。
低ホスファターゼの患者様に関しては,数年前に初めておひとりの成人の方と出会ったところです。
経験や知識が乏しいなりにも,その患者様の理学療法に携わったことはとても貴重な経験となりました。
成人例の情報自体が少ない中,酵素補充療法という画期的な治療の効果を運動機能評価から確認することもでき、
今後の治療への期待がますます高まっています。
これからも,患者さんや低ホスファターゼコミュニティの皆様のお役に立てるよう、尽力していきたいと思います。
どうぞよろしくお願い申し上げます。